きまぐれ通信

薬剤師、国際中医専門員、少林寺拳法、子育て、いろいろ人生現在進行中

野外活動少年団

こんばんは(^^)/

先週末、いつものようにポチポチブログを書いていたら

ブチっ

アダプターのライトが付いていない。

画面真っ暗。

あーーあ(*_*;

ということで、PCの寿命もそろそろだしと思ってアタフタしておりまして。

昨夜復活して今日の更新となりました。

まぁ、もともと「きまぐれ」だしね(*^^*)

 

 

 

今日は中医学ではなく、昔のお話を。

 

もう30年も前の小学生の時、私は親にいろんな体験をさせてもらいました。

「野外活動少年団」に入り、モールス信号や手旗信号など、将来絶対役に立たないことを覚え、テストもあったりしました。

 

 

モールス信号

野外活動少年団に入っていたのは小学生の時。

中学生では退団したので、退団後もせっかく得たモールス信号の知識を忘れまいと気を付けていたのですが、ぜーんぶ忘れました。

SOSだけは覚えてたのに。

で、今はネット社会でポチっと調べられますので、ポチっと調べました。

 

救難信号SOS

・・・ーーー・・・

(トントントンツーツーツートントントン)

通信手段がないときに、懐中電灯などの光があれば遠くの方までSOSを出すことができます。

豆知識。

相手が光を見ても理解できないということも十分あり得ますが、

「なんか言ってるぜ?」とはわかるんじゃないかなぁ。

「わぁキラキラ光ってるよー!綺麗だねぇ」となってたら助かる見込みはないので、次の救助を待ちましょう。

 

光や音でもいいのですが、目の瞬きでも。応用すれば、寝たきりで言葉を発することが困難な場合は目の瞬きでコミュニケーションをとることも可能なのではないでしょうか。

電鍵のイラスト

手旗信号

白と赤の旗を使って通信する手旗信号。

手旗信号って、カタカナなんです。

例えば、

「あ」→「ア」

なので、

両手を使って「フ」→「ノ」を示します。

↑ちなみに、この斜め上から斜め下へ平行移動は、数字の「11」を指します。

 

でも手旗信号って誰もわかっちゃくれない。

「アイシテル」

ってバタバタやっても

「は?」

って言われるのがオチなので、プロポーズはやっぱり自分の言葉で愛を込めて伝えることをお勧めします。

 

 

ロープ結び

ロープ結びもありました。長いロープをまとめる『なすび結び』、柱にロープを固定する『まき結び』、キャンプ時に重宝する『もやい結び』など、実践で今でも役に立っています。(ほんとか?)

覚えているのは、

「川で溺れているときにロープを投げられたら、そのロープを腰にこうやって結び付けろ」って言われて当時覚えさせられた結び方があったのですが、子供心に

川で溺れてんのにロープ投げられてどうやって腰に結びつけるん?

ロープの端っこ持つので精一杯だろうよ

と心で毒づきながら必死に結び方を練習していました。

他にも、手を後ろに回してちょうちょ結びとか。

男の子たちはロープをぶんぶん振り回して隊長に怒られていました。

 

野外活動少年団には制服がありました。今でいうガールスカウトボーイスカウトのような集団なので、ベレー帽、えんじ色のネクタイ、白い紐のついた笛を首からかけて、紐の部分をネクタイにクルクル巻き付けて胸ポケットに笛を収納。腰には「なすび結び」を施したロープをかける。

 で、野外活動のときに笛を使って集合をかけたりするんですね。

「ピー!ピ!ピ!ピ!ピ!」

(おーぃ、あ、つ、ま、れ!)

他にも、「横二列」とか「縦二列」とかいろいろパターンがありましたが、ぜーんぶ忘れました。でもこれも

笛で難解な合図出さんでも、言葉で言えばいいじゃん

って子供ながらに毒づいていました。

 

理解困難な技

これできたら何の役に立つん?危ないだけじゃん。っていうのがありました。

『ロウソクの火を、指二本で摘まんで消す』

ロウソクの下を人差し指と親指で軽く掴み、スーッと上に持っていき、ちょうどロウソクの芯のところを二本の指で摘まむと熱く感じずに火を消せるんです。もちろん、失敗すると大やけど。危ないったらありゃしない。

 みんなで集まってキャンドルサービスとかやったときは、必ず指で消して、「フーっ」とやったらすぐさま隊長に「そこ!息を吹きかけない!」と怒られていました。

今の時代だと、小学生にロウソクの火を指で摘まみ消させるという行為は虐待にあたりそうですね‥。さすが昭和。

よい子の皆さんは、ぜーったい真似しないでくださいね。

 

 

他にも、雪山にバッシュとセーターで登って、セーターに雪積もって死にかけたとか、カヌーでひっくり返って死にかけたとか、いろんな体験させてもらいました。私のど根性はここが原点だったのかもしれません。

 

今じゃ危険だ危険だと言われてしまうことも、この時代は何も言われず、むしろ「やれ」と言われて経験値になっていきました。雪山にバッシュとセーターって無知でしかないけど( ´∀` )

登山は知識が必要だって身体で学びました。

 

また思い出したら記事にしたいと思います。

 

 

 

 

 

「気」「血」「津液」ってどういう関係?

あつうございます。

じっとりべっとり。

重だるい。

頭痛くなっていませんか?

こんな時は舌をチェーック!

ほら。べっとり白い苔がついていませんか?

それ、湿邪です。

島国日本の梅雨。

除湿作用のある、大豆、茄子、ハト麦、小豆、冬瓜、豆苗などを摂り

紫蘇や生姜などの香りのあるもので気を巡らせ

普段の食事から気を付けること、ここにあります(*^^*)

 

ここまで3回連続で投稿した

「気」「血」「津液」

私たちの身体の根幹とも為す3つの栄養物質です。

この3つの関係について見てみましょう。

今私は、数年前に勉強した「中医基礎理論」の参考書と当時のノートを参照にしていろいろと書き綴っているのですが。

あった、あった。

「気」が船頭さん。「血」と「津液」がお舟さん。

たらい舟のイラスト

 

血能載気

中医学を勉強しているとよく出てくる絵が、船である「血」に船頭さんである「気」が乗っているという絵。「血」の上に「気」が乗っている。だから、大量出血すると大量出気にもなり、生命の危機があるというわけです。

あれ、このフレーズ、前回も書いたような?

そうです。

「津液」の説明のブログで書きました。

『大量に汗をかくと非常に疲れるのは、汗「津液」と一緒に「気」も流出しちゃうから』

似てますね。

 

津血同源

津液+営気→血が生成

だから、「血」と「津液」は同源ってこと。

「津液」が不足すれば、「血」も不足します。

大量出血で「血」が不足すれば、当然身体の「津液」の絶対量が不足。そして上に乗ってる「気」も虚しちゃう。

 

 

「気」は陽、「血」「津液」は陰

以前のブログで書いた「陰陽」の関係に当てはめると

「気」は陽

「血」「津液」は陰

になります。

「気」は自分で動き、自分で動けない「血」と「津液」は「気」に動かしてもらっています。切っても切れない関係「互根互用」の関係です。

しかも、「気」は乗っかっちゃってるからね。

船頭さんなんですね。

脱水や出血が危険なのは、船頭さんである「気」も出ちゃって3つのバランスが崩れてしまうから。

 

やっぱりバランスって大事ですね。

 

漢方薬を考えるとき、舌診や体質や年齢で、この3つの栄養物質が虚していないか、滞っていないか、バランスを崩していないか、を診ます。

 

次回からはどんな症状が「虚」や「滞り」なのか、ほかのアンバランスについても説明していきますね。

あ、でも、時々ほかの話題も書きます♪中医学だけだと飽きちゃうので( ´∀` )

5月6月は、新学期や新年度からのGW明けで疲れが出やすい時期です。

しっかり睡眠や食事を摂り、「気虚」にならないように気を付けましょう♬

 

「津液」とはなんぞや

あれ?「津液?水、じゃなくって?」と思った方もおられるやもしれません。

「気・血・水」の3点セットはよく知られています。でも、「気・血・津液」ってゴロ悪くない?リズム良くなくない?

よくなくなくなくなくなくない? by小沢健二

 

「津液」と「水」との違い。

それは、「津液」は中医学での呼び方、「水」は日本漢方での呼び方、なんです。

 

中医学』と『日本漢方』の違い

歴史が大の苦手の私なので詳しい年代は伏せますが、もともと『中医学』(中国伝統医学)が中国から日本に入ってきて、江戸時代のあたりから日本独自の発展を遂げ、『日本漢方』になったそうです。ちなみに、『中医学』では気功や鍼灸も含み、診断には「四診」と言って「望診(全身や舌などを観察)」「聞診(声、呼吸、匂いなどを観察)」「問診」「切診(触診。脈診など)」を総合的に判断(弁証論治)し診断します。様々な症状から『証』を判断し、その『証』に当てはまる漢方薬を処方するんですね。

漢字多っ。

対して、『日本漢方』。私が薬学部卒業してすぐ入社した漢方専門保険薬局で勉強したのがこの『日本漢方』でした。これは比較的わかりやすいと思います。

  風邪ひいた→葛根湯

  足つった→芍薬甘草湯

  鼻づまり→葛根湯加川芎辛夷

上の句と下の句みたいに繋がっています。

漢方薬をよく処方する医師の先生方も『日本漢方』の考え方で出している先生が多いと思います。お腹の触診も『日本漢方』の特徴で、『中医学』にはありません。

でも、私、ここに「なぜこの漢方なの?」という疑問が生まれ、新卒から20年経ったあとに『中医学』にたどり着き、この「なぜ?」に『中医学』の概念がぴったり当てはまり、『中医学』に目覚めたのでありました。

 

ということで、横道に逸れましたが、「津液」という言葉は『中医学』の言葉なんですね。

 

津液

 

やっと本題。

じゃ、この「津液」。なに?

「液」とつくので想像はしやすいと思います。

「人体における全ての正常な水液」です。

身体の60%は水からできている話は有名ですが、その水分と同じように考えてもいいと思います。

そして、その作用たるも、想像がたやすいかと。

①滋潤作用

潤いっ。

いつでもどこでも欲しい潤いっ。

皮膚、髪の毛、乾燥するとパサパサカサカサ、ハンドクリームやオイルが手放せません。

 

②血脈の充養

「津液」は、前回の「血」の重要な組織です。

これもわかりやすいかな。

 

この津液、汗や尿も含みます。

そして津液には「気」が乗っかってると考えます。

大量の汗をかくと非常に疲れてしまったり元気がなくなるのは、このためです。

 

   何らかの原因で大量の汗→気と津液の放出→気虚になってしんどい

 

「気」「血」「津液」はお互いに密接に関係があるんですね。

それぞれが‘虚‘の状態になったり、滞ったりするとお互いに影響し合ってしまい心身を壊したりします。

なので、‘虚‘を補ったり‘滞り‘を治す生薬を投薬、薬膳として食事に取り入れたりして三者のバランスを整えます。

 

 

バランスって大事。

栄養素も、タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素がありますが、どれか一つだけ摂っても身体のエネルギーは回りません。エネルギー回転の潤滑油であるミネラルやビタミンも欠かせませんね。まんべんなく毎日、が無理でも、ちょっと意識するだけでも違うと思います。

 

そして「気」「血」「津液」は、その食事や自然界の外気から生み出され、私たちは心と身体のいい状態をキープしていると考えます。

 

食事って大事。

さぁて、今日も明日の「気・血・津液」と作るべく、ご飯作りに精を出しますかね(^^)/

「血」とはなんぞや

広島サミット、始まりましたね。こんばんは🌙

広島市には約24000人の警察官が厳重警戒に当たっているとか。

ご苦労様です!

さて、バイデン大統領やゼレンスキー大統領、今や世界の中心になっている要人たちが集まっており、広島市内はピリピリモードですね。

厳重警戒しようにも、配られる食事がパンのみとか、泊まるホテルがないために体育館に雑魚寝とか、かたや報道関係者は国際メディアセンターで食い放題飲み放題を堪能しているとか、サミット反対のデモ行進が警察官と衝突とか、もう市内はカオスです。

 

ちなみにこの話を今日の夕食後で子供たちとしていると、娘が

「カオス、混沌。反対語は秩序。コスモス。現代文単語で習った。」と教えてくれました。すると、今度は息子が

「コスモは宇宙ってお母さんが言ってなかったっけ。」

・・・言っとりません。・・・覚えておりません。

調べると、コスモスってとはギリシャ語で宇宙観。宇宙観とは『秩序ある調和のとれたシステム』ということらしいです。カオスとは対にあるらしい。

・・。さっぱりわからん。

とにかく市内はカオスなのだよ。

きっといろんな思惑が渦巻いていることでしょう。

 

そんな中で暑い中制服を着て日夜一生懸命街の秩序を守るべく奮闘しているお巡りさんにはぜひとも切らしてほしくないエナジーがあります。

それが、中医学でいう「血」です。

 

西洋医学でいう「血液」と同じような概念でいいと思います。

血液は身体中に酸素を送り、二酸化炭素を排出する運搬の役割をしていますよね。また、免疫反応や止血、体温維持など多数の働きを担っています。

中医学の「血」の働きも似たような感じです。

 

①濡養作用

身体を潤し、栄養を与えます。

顔や皮膚、髪、感覚機能に反映されるので、「血」が不足し「血虚」状態になると顔色が悪くなったり、髪がパサついたり、皮膚がカサカサになったります。

「血色悪い」って言いますよね。

あれです(^_-)-☆

 

②精神活動の維持

「血」は意思や睡眠に深く関わります。「血虚」状態になると、動悸がしたり忘れやすくなったり不眠になったりするのはこのためです。

 

③妊娠や出産を助ける

これはイメージがしやすいと思います。女性の生理なんかこの働きですね。

そして母乳は赤血球が入っていないので赤くはないですが、元々は血液からできています。

 

 

貧血

ちなみに俗にいう貧血ですが、中医学でも貧血は「血虚」(「血」が足りていない状態)とみなし活血作用のある生薬を含む漢方薬を飲んだりします。

西洋医学ではヘモグロビンの値を測って貧血か否かを診断しますが、中医学ではヘモグロビン値は参考にしかしません。ヘモグロビン値が正常であっても、上記のような様々な症状から「血虚」と診断し治療することが多々あります。

 漢方薬はこの「血」に関する症状については得意分野だなぁと感じます。西洋医学では鉄剤を服用しますが、胃がムカムカしたり、吐いたりしてなかなか飲めない方が多いです。(私もそうでした。一回でダウン。)そんな人はぜひ漢方薬を試してほしいなと思います。

市販では、「命の母」とか「ルビーナ」辺りですかね。

※上記は鉄欠乏性貧血のお話です。赤血球の異常や断続的な出血が原因のこともありますので、まずは検査をお勧めします。

 

 

 

 

日々の警護で疲れ切っているお巡りさん、パンだけだと「血」が足りません。

鉄分が多いレバーや肉類、黒豆や大豆など黒い食材等も摂取して、もちろん「血」の元となる水分もしっかり摂って、あと少し頑張ってほしいですね!

明日は暑いようです。

皆様にとって素敵な日曜日になりますように。

 

「気」とはなんぞや

こんにちは。

少し間が空いてしまいましたが、GW明けのブルーな気持ちと戦っておりまして。

連休が楽しかったら楽しかっただけ、その後の日常がしんどく感じますね。

気持ちが乗らない、気持ちが上がらない、やる気が出ない、その気はあるけど。

よく五月病とか言いますね。春ってモヤモヤした気持ちになる人が多いんです。

母もよく昔は「春は嫌いっ!」と毎年のようにブツブツ言って周りも少し気を遣う日々でした。とにかく春はこの「気」がどうもこうも落ち着かない。

 

気血津液

 

前回は、陰陽学説についてお話しましたが、今日は、この「気」についてのお話です。

「気」が大事だってことは感覚的にわかると思うのですが、中医学の概念の一つに

「気」「血」「津液」

という3つがあります。

この3つは、人体の栄養物質という位置づけなのですが、それぞれが虚したり滞ったり、お互いに影響したりして病気を作っている。

 

「気」っつっても姿は見えないし、なんかわかるようなわからないような。ですよね。

でも、この「気」がとーっても大事なんです。

この「気」、

・持って生まれた「先天の精気」

・生後から作られる「水穀の精気」

・自然界の「清気」

という三つの「気」から生成されます。水穀とは、簡単に言えば食物。

おギャーって生まれたときに持っている「気」と、ごはん食べて得られた「気」と、自然界の美味しい空「気」が合わさって、全体の「気」を作っています。

 

【元気がないときに、たくさん食べて元気になった】

【森林浴に行って元気になった】

とかは、このメカニズムですね。

 

そして、この「気」には作用がいくつかありまして。

 

①推動作用

人体の成長を促したり、血液や身体の水分を流したりする作用。

②温煦作用

体温の維持。「気」が虚している状態では冷え性になったり眠くなったりします。

③防御作用

元気いっぱいの人で風邪をひかない人は、「気」が張っていたり病邪を追い出していることが考えられます。皮膚には「衛気」といわれるバリアーが張られていますが、この「衛気」が十分働いていると、皮膚からの病気は入ってきにくくなります。

④固摂作用

これは出血や汗をかいたときなど、液体が外に漏れることを防ぐ作用です。また、内臓の位置を固定する作用があります。「えいやっ」と気合を入れると出血が止まる、ということではありません。

⑤気化作用

これは、身体の中で起こっている消化や代謝、津液の汗や尿への変化を促すという作用です。

 

 

 

これらの働きを担っている「気」、虚して「気虚」になったり、滞って「気滞」になったりすると、上記のような作用ができなくなり、疲れやすくなったり、冷え性や風邪、ストレス症状が出てきます。ほかにも「気逆」「気陥」「気脱」などがあります。

 内臓下垂や脱肛は「気陥」の症状と考えます。「気が下方に落ち込む」と考えるのですね。

 

元気ややる気がないときは、持って生まれたものは変えられないけど、しっかり食べて外の空気を吸い、英気を養いましょう♬あ、「気」を補うには、睡眠も大事ですよー!

 

次回は「血」についてお話しますね。

 

 

 

明けない夜はない

あめあめ ふれふれ かぁさんが~♬

 

なんて悠長に歌ってられません。

ただいまこちらは蛇の目傘だろうが折り畳み傘だろうが関係なく無意味なくらい土砂降りで、嬉しくなんかありません。

皆様のところは大丈夫でしょうか。

 

さて、中医学は、西洋医学とは全く違う基本概念がいくつかあります。

私は大学の薬学部で西洋医学概念をがっつり学んできましたが、それをぜーんぶ取っ払って真っ白にしないと頭に入ってこないくらい中医学は新鮮で斬新な考え方でした。

東京にある日本中医学院で2500時間にもなる講義を3年かけて聴講し、中医学の知識を学ぶにつれ、日々の食生活や環境、子育て、そしてもちろん調剤薬局業務で対面する患者さんの体調などを中医学の面から観察し、今までとは違う側面からの考え方、アドバイスを提供できるヒントとして非常に役に立っています。

 

そこで、今日はその基本概念を少し、説明したいと思います(*^^*)

 

陰陽学説

「いらすとや」ってすごいですね。陰陽で調べたらちゃんと出てきました。

そう、これ、言わずと知れた陰陽太極図です。

(幽幻道士、観てました?テンテンちゃん可愛かったですよね。)

「陰」と「陽」は例えばこんな感じです。

【陰】     【陽】

静止      運動

内守      外向

下降      上昇

寒冷      温熱

暗       明

抑制      興奮

水       火

冬       夏

夜       昼

悲       喜

 

とまぁ、挙げればキリがないわけで。

でもこれ、絶対ではなくって。

以下は、説明がわかりにくかったらすっ飛ばして読んでください。

 

例えば

水と氷だったら、氷が陰で水が陽。水の方が動くからね。

でも

水と水蒸気だったら、水が陰で、水蒸気が陽。水蒸気の方が水分子は活発に動き回ってるからね。

時々化学がすっと入ってくるのがちょっとミソですな。

状況によって、陰と陽は変わりうる、ということです。

 

で、この陰と陽。お互いに依存し合ったり、対立したりしています。

火は水じゃないと消せないし、下降があるなら上昇もあるし、人間の自律神経なんてもろに副交感神経と交感神経があって神経を調節しているので、陰と陽は比較的わかりやすいですよね。ね?(うんうん)

切っても切っても切れない関係なんです。

そして、その関係を難しい言葉でいうと

陰陽の「互根互用

と言います。

 

そしてそして陰陽の関係のうち全てではないですが、この関係がある一定の条件下にてひっくり返っちゃうことがあるんです。

例えば、冬になると寒くなり、寒さが極限までいくとだんだん暖かくなります。(寒極生熱)

また、夏になり猛暑が過ぎると、秋めいてきてだんだん冬に向かいます。(熱極生寒)

夜がふけていき、一定時間経つと夜が明けてきます。

月が満月になるとだんだん欠けていき新月になります。

(ちなみに月の満ち欠けと女性の月経は同じ陰陽学説で説明することがあります。卵胞期を陰、黄体期を陽と考えます。)

人は悲しみのどん底までいくと、時間はかかっても少し楽(喜)に転じてきますよね。

 

陰が極限までいくと、陽に転じる(重陰必陽)

陽が極限までいくと、陰に転じる(重陽必陰)

ちょうど中学生の数学的に説明すると、上の太極図の周囲に点Pを置いて、少しずつ時計周りに回していくという、イメージでしょうか。

この陰陽の転化の関係を

陰陽の「相互転化

と言い、陰と陽の関係性を示しています。

 

 

 

陰と陽はお互いにバランスをとっていい状態を整えています。

ときに拮抗し、ときに依存し、ときに転化しながら、お互いなくてはならない存在なんですね。

こんな考え方が、医学の基礎になっているって面白いと思いますよね。ね?(うんうん)

 

あ、雨が上がってきましたよ。

これも、雨極生晴、かな(^^♪

皆様、足元にお気をつけて。

 

しんどさの表現方法

子供たちが小さいときによく使っていた方法です。

 

「お腹いたーい!」

息子が小学生低学年のときに突然激痛を訴え、腰を曲げて痛がりだしました。

もう痛すぎて腰を曲げた状態からまっすぐに戻せず、抱っこをすると曲がった状態で固まったまま抱き抱えられるほどでした。

 

熱はないけど、盲腸?下痢?なんか変な菌入った?

 

夜だったしよく覚えてないのですが、救急外来を受診したけど原因がわからずで様子見になった気がします。

ハラハラした一夜を過ごし、次の日になるとちょっと顔が楽になってきたような。

そんなときはこの一言です。

 

「昨日の痛さを10としたら、今はどれくらい?」

 

子供が数を数えられるようになったら、本当にわかりやすい痛みの表現方法です。

 

「んー5!」

おお。半分じゃん。

数の減り具合が大きいほど回復傾向ですね。

 

逆に

「・・・12・・」

とか

「・・痛いの変わらない・・」

とかなってくると、食欲や発熱、下痢や嘔吐など、他の症状が出ていないか確認しつつ再受診を考えたりします。(小さいお子さんの場合は特に「ぐったりしていないか」に気を付けます。)

 

この方法、表現しずらい倦怠感などにも有効です。

数だけでなく、

「一番辛いのが黒、何もないのが白、今はどっちに近いどんな色?」とか、

痛がっている顔や普通の顔などの絵を用意して

「顔のマークで表すと今どんな顔?」

と尋ねるのもいいかもしれません。

 

 

大事なのはその「変化」を観察すること。

数字で言えば、10から減ったのか増えたのか、その変化の仕方は急なのか、緩やかなのか。

 

GWですね。

体調崩して受診ができないために仕方なく連休明けまで待つことにしたら、数字や色や顔マークなどを使って、その「変化」に着目し観察すると、診察時にお医者さんが助かるかもしれません。

 

小さいお子さんやお年寄りなど、

「何かいろいろ訴えてるけど簡潔に言ってくれーっ」

って思ったときは、ぜひ使ってみてください(^^♪

 

立て肘をついてくつろぐ子供たちのイラスト