明けない夜はない
あめあめ ふれふれ かぁさんが~♬
なんて悠長に歌ってられません。
ただいまこちらは蛇の目傘だろうが折り畳み傘だろうが関係なく無意味なくらい土砂降りで、嬉しくなんかありません。
皆様のところは大丈夫でしょうか。
さて、中医学は、西洋医学とは全く違う基本概念がいくつかあります。
私は大学の薬学部で西洋医学概念をがっつり学んできましたが、それをぜーんぶ取っ払って真っ白にしないと頭に入ってこないくらい中医学は新鮮で斬新な考え方でした。
東京にある日本中医学院で2500時間にもなる講義を3年かけて聴講し、中医学の知識を学ぶにつれ、日々の食生活や環境、子育て、そしてもちろん調剤薬局業務で対面する患者さんの体調などを中医学の面から観察し、今までとは違う側面からの考え方、アドバイスを提供できるヒントとして非常に役に立っています。
そこで、今日はその基本概念を少し、説明したいと思います(*^^*)
陰陽学説
「いらすとや」ってすごいですね。陰陽で調べたらちゃんと出てきました。
そう、これ、言わずと知れた陰陽太極図です。
(幽幻道士、観てました?テンテンちゃん可愛かったですよね。)
「陰」と「陽」は例えばこんな感じです。
【陰】 【陽】
静止 運動
内守 外向
下降 上昇
寒冷 温熱
暗 明
抑制 興奮
水 火
冬 夏
夜 昼
悲 喜
とまぁ、挙げればキリがないわけで。
でもこれ、絶対ではなくって。
以下は、説明がわかりにくかったらすっ飛ばして読んでください。
例えば
水と氷だったら、氷が陰で水が陽。水の方が動くからね。
でも
水と水蒸気だったら、水が陰で、水蒸気が陽。水蒸気の方が水分子は活発に動き回ってるからね。
時々化学がすっと入ってくるのがちょっとミソですな。
状況によって、陰と陽は変わりうる、ということです。
で、この陰と陽。お互いに依存し合ったり、対立したりしています。
火は水じゃないと消せないし、下降があるなら上昇もあるし、人間の自律神経なんてもろに副交感神経と交感神経があって神経を調節しているので、陰と陽は比較的わかりやすいですよね。ね?(うんうん)
切っても切っても切れない関係なんです。
そして、その関係を難しい言葉でいうと
陰陽の「互根互用」
と言います。
そしてそして陰陽の関係のうち全てではないですが、この関係がある一定の条件下にてひっくり返っちゃうことがあるんです。
例えば、冬になると寒くなり、寒さが極限までいくとだんだん暖かくなります。(寒極生熱)
また、夏になり猛暑が過ぎると、秋めいてきてだんだん冬に向かいます。(熱極生寒)
夜がふけていき、一定時間経つと夜が明けてきます。
月が満月になるとだんだん欠けていき新月になります。
(ちなみに月の満ち欠けと女性の月経は同じ陰陽学説で説明することがあります。卵胞期を陰、黄体期を陽と考えます。)
人は悲しみのどん底までいくと、時間はかかっても少し楽(喜)に転じてきますよね。
陰が極限までいくと、陽に転じる(重陰必陽)
陽が極限までいくと、陰に転じる(重陽必陰)
ちょうど中学生の数学的に説明すると、上の太極図の周囲に点Pを置いて、少しずつ時計周りに回していくという、イメージでしょうか。
この陰陽の転化の関係を
陰陽の「相互転化」
と言い、陰と陽の関係性を示しています。
陰と陽はお互いにバランスをとっていい状態を整えています。
ときに拮抗し、ときに依存し、ときに転化しながら、お互いなくてはならない存在なんですね。
こんな考え方が、医学の基礎になっているって面白いと思いますよね。ね?(うんうん)
あ、雨が上がってきましたよ。
これも、雨極生晴、かな(^^♪
皆様、足元にお気をつけて。