「血」病の弁証
3連休ですね。いかがお過ごしでしょうか。ブログのデザインを着せ替えしてみました☺
今日は、高1の娘が「夢ナビライブ」というオンライン大学合同説明会・講義聴講に参加しました。
数ある大学の数ある講義から、興味のある分野の講義を選択して聴講できるという現代っ子ならではの特権。
う、羨ましい…。
画面共有で、教授の資料が手元ですぐ観れる!
なんてわかりやすいんだ・・。
これからの道を模索中の娘。
心躍るような分野に出会えるといいなぁと思います(*^^*)
今日は、漢方薬と「血」病のお話です。
長年漢方薬好き好き言ってると、漢方薬と女性の相性っていいなぁと思うことが多々あります。
初めて務めた薬局では、当時20代前半の子宮筋腫診断有りの事務さんが、
「桂枝茯苓丸で子宮筋腫が消えたんよー!」
と大喜びで、筋腫が消えたことを機に結婚に踏み切ったことがありました。
その時は、漢方薬で血の塊が消えるのか、とびっくりしましたが、あれから20年経った今ではその理屈や効果がわかるようになりました。
西洋薬でいう血液と同じようで違う概念。
身体の大事な栄養成分。
では代表的な「血」病を二つご紹介します♪
食が細くて痩せて髪もパサパサで色白で‥‥「血」が足りないなぁと一目でわかりますが、これを「血虚」と呼びます。まさに「血が足りない」状態。
血虚の症状は他にもあって。
・顔色が悪い
・爪や唇の色が薄く悪い
・眩暈
・動悸
・物忘れ
・不眠
・疲れやすい
・食が細い
・手足のしびれ
・目の乾燥
・脈が細い
・月経量が少なく色も薄い
・月経後に痛み
教科書レベルになると以上のことが書いてあります。
女性はただでさえ月経があり血虚になりがち。
それに接触障害やストレスで食が細くなると血も気も虚して、鬱や不眠を引き起こしてしまいます。
そんなときに使う生薬は
「補血薬」と呼ばれる、当帰、白芍、熟地黄、阿膠(あきょう)等。
阿膠とはロバの皮のことで、コラーゲンたっぷりの生薬。
昔薬局で煎じ薬を取り扱っていたときにこの阿膠もありましたが、焦げ茶色のキラキラ光ったゼラチンのかけらのようでした。
四物湯、当帰芍薬散、帰脾湯、炙甘草湯等。
私も最近更年期の足音が近づいてきたので、この四物湯を服用しています。
血瘀
台湾では、産後に必ず飲むお薬があるそうです。
「生化湯」
妊娠中に長く血を子宮に留め、出産で一気に出すけど、全部綺麗に出るわけではなく。
残った血が腹部の痛みやイライラを引き起こします。
かくいう私も一人目の産後2週目に、突然大量の悪露が出て病院に駆け込んだことがありました。突然不眠不休の生活が始まり、心身共に疲れ果てていた矢先のことでした。
「生化湯」は、産後のこうしたトラブルを避けるため、子宮に残った血を出し、また一方で身体に必要な血を補うための薬です。
知っていたら飲んでたのにな。
血瘀の状態になると、自覚症状は少ないのですが、舌や脈に特徴が現れます。
・痛み(刺痛といい、刺すような痛み)
・固定されたしこり
・皮膚や舌が黒っぽく紫色がかっている(全体OR部分的)
・月経前に痛み
・月経中、レバーのような塊が出る
・渋脈(引っかかるような脈)、弦脈(ピーンと張ったような脈)
血瘀は血虚や冷えが原因で起こることもあります。
血瘀に使われる生薬は
「活血薬」と呼ばれる、丹参・紅花(ベニバナ)・益母草(メハジキ。昔から産後の母親を助ける〈益する〉薬として名付けられた)等。
鶏血藤(けいけっとう)という生薬も活血薬にありますが、この植物は茎を折ると赤い汁が出てくるそうです。
そして、これらの生薬を使っている血瘀を治す漢方薬は
桃核承気湯、血府逐瘀湯、温経湯、桂枝茯苓丸等。
こんな読むのも難しい生薬とか漢方薬とか手に入らんし。
苦いしー。
高いしー。めんどくさいしー。
ほんとに効くのかわからんしー。
と、ただでさえ敷居の高い漢方薬にもっと抵抗感を示してしまった方へ。
ごめんなさいです。
愛は遠くなってしまったかもしれませんが、この手の漢方薬は効果があります。
婦人科でお悩みの方がいたら、私は断然漢方薬をお勧めします。
でも、普段の食事でも取り入れることができます。
鉄分、タンパク質を摂りましょう!
マグロ、カツオ、鮭、肉、卵、大豆、小松菜・・。
なんとなく赤いものが多くないですか?え?そういうものだけ並べてる?w
赤いものを食べましょう。
ロバを捕獲しなくても大丈夫。
切ったら血がしたたる植物を見つける必要はなし。
タンパク質は筋肉や肌や髪にとって大事な栄養素です。
血虚や血瘀で現れる症状は、鉄分やタンパク質の不足で現れる症状に似ています。
次回は症例報告として記事をアップしたいと思います。